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金融円滑化法をめぐる今後の動向

平成21年12月に「中小企業金融円滑化法」が施行され、はや2年が経過しました。業績悪化等による借入金や住宅ローンの返済条件の変更に金融機関が出来る限り応じるというものですが、その返済条件の変更を受けられた会社や個人に対する金融機関の姿勢が、今後かなり厳しくなってくることが予想されます。今回は今後の金融機関の融資先に対する姿勢についてまとめてみました。

1.中小企業金融円滑化法の実績
平成23年3月末時点での中小企業金融円滑化法に基づく借入金や住宅ローンの返済条件変更を受けられた件数は約176万件にのぼります。そのうち約90%に対して金融機関は返済条件の変更を受け入れています。特に平成23年に入ってからは返済条件の再変更(再リスケ)の申出が増加してきているそうです。


2.現状の問題点 
中小企業金融円滑化法の本来の趣旨は「返済条件を変更することで事業者の資金繰り負担を減少させ、その変更期間中に経営改善をはかり財務体質を強化してもらう」ことにあります。ところが現状では、@事業者の自律的な経営改善への取り組みが不十分であり、返済条件を変更することで問題を先送りにしているだけ、という場合が少なからずあるAこのままの状態を放置すれば金融機関にとって「貸付金の回収可能額」が減少して金融機関自体の経営を圧迫することに繋がる、というのが金融庁の見解です。


3.問題点を踏まえた上での今後の金融行政
上記問題点に対処するため、金融庁は平成23年4月に「円滑化指針」を公表しました。要約しますと下記の内容となっています。
【1】金融機関のコンサルティング機能の発揮
金融機関は今まで以上に融資先事業者との面談を通じて@業績悪化の原因を詳細に分析して事業者がその解決策に取り組む姿勢があるのかA売上・利益の改善可能性や経費圧縮、資産の売却など具体的に解決策を実行しているかB事業そのものにお金を獲得する力があるのか、について踏み込んでチェックしなければならない。

【2】金融機関による最適な解決策の提案
上記の分析を通じて、金融機関は事業者を「債務者区分」別に分類する。事業の継続が十分見込まれる事業者に対してはビジネスマッチングや販路開拓支援を積極的に行うが、このまま事業を継続しても改善が見込まれないと判断した場合は「自主廃業」に向けた道筋を提案する


4.「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」は全ての融資先が対象
さらに平成23年5月に金融庁は「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」を改定・適用しました。これは返済条件を変更した事業者だけでなく、全ての融資先事業者に対する指針として、上記3.の【1】金融機関のコンサルティング機能の発揮【2】金融機関による最適な解決策の提案が盛り込まれています。つまり、金融機関は全ての融資先事業者の経営姿勢や経営改善に対する取り組みに対して、今まで以上に厳しいチェックを行っていくことになります。
  このような金融をめぐる環境の中で、まずは貴社の現状の問題点の把握とその解決策の実行、そしてその成果としての毎月の試算表の数字を今まで以上に厳しく見つめていく必要があります。できるだけ直近の数字に基づいて経営課題の発見とその解決、事業計画書の見直しに取り組んでいきましょう。私どもが全力でお手伝い致します。
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