法人が一定の資産を取得した場合には、減価償却費を通常よりも多く計上できる特別償却やその事業年度の税額のうち一部を控除できる特別控除の制度を利用することができます。今回は、その制度のうち、機械
等を取得した場合の特別償却・特別控除の制度についてご説明します。 ●内容
青色申告書を提出する法人で中小企業者等(資本金が1億円以下の法人で大企業に支配されていないもの)に該当するものが、一定の機械装置、器具備品、ソフトウェア、車両運搬具で新品のものを取得し
て事業の用に供した場合には、その事業の用に供した日を含む事業年度において、普通償却のほかにその取得価額の30%相当額の特別償却を計上することができます。
さらに、特定中小企業者等(資本金が3,000万円以下の法人で大企業に支配されていないもの)に該当するものについては、その事業の用に供した日を含む事業年度において対象設備の取得価額の7%
に相当する金額をその事業年度の法人税額から控除することができます。ただし、その供用年度の法人税額の20%相当額が限度となります。
つまり、特定中小企業者等については、特別償却と特別控除のどちらか有利なほうを選択することができます。特別償却は通常の償却よりも早期に償却することができますが、償却できる金額は変わりませ
ん。これに対して、特別控除は償却費とは別に税額を控除できますので、通常は特別控除のほうが有利になります。
●適用対象資産
適用できる資産は、次の通りです。
1.機械装置
1台または1基の取得価額が160万円以上のもの
2.器具備品
1台または同一種類の複数設備の取得価額の合計額が120万円以上の電子計算機、デジタル複合機
3.ソフトウェア
取得価額の合計額が70万円以上のサーバー用のオペレーティングシステム等
4.車両運搬具
貨物の運送の用に供されるもののうち車両総重量が3.5トン以上のもの
●具体例
例えば、取得価額が200万円の機械装置(耐用年数10年)を取得した場合は次のようになります。(その事業年度の法人税額は50万円とします。)
◎特別償却
A 普通償却 200万円 × 0.250 = 500,000
B 特別償却 200万円 × 30% = 600,000
C A + B = 1,100,000
◎特別控除
A 200万円 × 7% = 140,000
B 50万円 × 20% = 100,000
C A > B ∴ 100,000
●不足額の繰越
なお、具体例の場合で、償却費を80万円(普通50万円と特別30万円)しか計上しなかった場合には、特別償却の不足額30万円を1年間だけ繰り越すことができます。
また、特別控除についても、具体例のように4万円控除できなかった場合には、1年間だけ繰り越すことができます。 |