| ■有限責任事業組合(LLP)とは?
昨年5月1日に「新会社法」が施行され、正式に1円の資本金でも会社を作ることができるようになった、というのは皆さんご承知の通りです。
誰でも簡単に会社が作れて、産業を活性化させようという狙いがあると思いますが、その「新会社法」によって”法人税のかからない会社”を作ることができるようになりました。それが、「有限責任事業組合(LLP)」なのです。
名前の通り、正式には”会社”ではなく、”組合”になるのですが、「資金を出し合って共同で事業を行う」という意味で、会社と同じような形態で事業を行うことができます。
何と、このLLPには法人税がかからないのです。
■LLPの特徴
1.有限責任のため、出資額までしか責任を負いません。
組合の事業が失敗して多額の債務を抱えたとしても、私財を投げ打ってまでその債務を返済する必要はありません。株式会社と同じですね。
2.”組合”自体に税金はかかりません。
普通の会社の場合、事業で得た利益に対して法人税がかかります。ところがこのLLPの場合、LLPが得た利益は、そのLLPを構成する組合員の所得とみなされるのです。そのためLLPそのものに対する税金は発生しません。
昨年世間を騒がせた「村上ファンド」は、”会社”ではなく”事業組合”という形態をとっていました。事業組合はLLPとは違う形態ですが、事業組合もそれ自体には税金はかかりません。その組合員の所得とみなされ、その組合員に対して税金がかかります。
3.事業に損失が出た場合、組合員の他の所得と通算できます。
例えばサラリーマンが仲間と一緒にLLPを立上げ、そのLLPに損失が出たときは、その人の出資割合などに応じた一定の損失額を、その人の給与所得から差し引くことができます。通常の会社では考えられないことですよね。
4.設立の手続きがとてもシンプルで、しかも設立費用が安い!
登記申請から登記の完了まで、普通の会社の場合は最低でも40日程度かかるのですが、LLPの場合は何と1週間から10日で済みます。
また、設立にかかる費用は登録免許税の6万円と、出資金額(最低1円で2人以上で設立可能)が最低2円、合計6万2円で設立できます。株式会社の場合は最低でも24万円ほどかかりますから、かなり安いですよね。
■LLPに向いている事業者
サラリーマンや学生が試しに会社を作ってみたい、という場合などは最適でしょう。
また、利益の増減が激しい場合なども、前述のとおり他の所得と通算できるので向いていると言えるでしょう。
ただ、既に個人事業として軌道に乗っている場合は、LLPではなく会社組織にしたほうがいいと思います。というのは、LLPの場合は「給与所得控除」を受けることができませんので、個人事業者が法人成りする場合にはあまりメリットがないからです。
また、LLPは組合なので、法人格はありません。したがってLLPから株式会社へ組織変更をすることができません。将来は株式公開をして事業を大きくしていきたいとお考えの場合はLLPではなく、法人格のある会社組織にしたほうがいいでしょう。
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以上、「有限責任事業組合(LLP)」について簡単にまとめてみました。
LLPにはたくさんのメリットがありますが、法人格がないことによるデメ リットも少なからずあります。これから起業しようとお考えの方は、ご自分が将来どんな事業を展開していきたいかをしっかりと考えて、その上で最適な組織形態を選択してください。
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