| 平成18年度税制改正で、役員給与・賞与の税法上の取り扱いが大きく変わりました。前回に引き続き、何がどう変わったのかを具体的にお話します。
●役員のボーナスが費用にできるの!?
今までは、法人がその役員に支給する給与のうち、1月以下の期間を単位として定期的に同一の額を支給することを条件に、役員の給与を費用に計上することができました。これを「定時定額要件」といいます。
平成18年度の税制改正で、この「定時定額要件」が緩和され、「確定時期に確定額を支給する旨の定めに基づいて支給する給与は損金に算入できる」ことになりました。
難しい表現ですので、具体的に見ていきます。
1. 取締役会で、役員(一人とします)の給料が毎月50万円に決まったとします。この場合、毎月の額に変動がなければ、1年間の給与総額は600万円となります。これは従来の「定時定額要件」改め「定期同額要件」に当てはまるため、今回の税制改正には関係なく費用となります。
2. しかし、毎月50万円の給与のほかに、例えば6月と12月に、従業員と同じようにいわゆる「賞与」的な意味合いで役員給与をそれぞれ100万円増額して支給した場合、今まではこの増額分は費用には出来なかったのですが、この税制改正で、ある書類を提出すればこの分も費用にすることが出来るようになりました。
では、その「書類」とは何でしょうか。
●税務署長に「事前の届出」が必要になる!!
上記の「賞与」的な役員給与を費用に計上できるようにするためには、「事前確定届出給与に関する届出書」という書類を、所轄の税務署に提出する必要があります。
1.の場合
定期同額要件に該当するため、「事前の届出」の必要はありません。
2.の場合
毎月支給する給与の他に、6月、12月にそれぞれ100万円ずつ増額支給することになりますから、毎月の役員給与の年間総額600万円と、「賞与」的な給与との合計額800万円全額を事前に届け出る必要があります。この届出をしなかった場合は、増額部分200万円は費用にはなりません。
※監査役や非常勤役員に対する給与は?
監査役や非常勤役員に対する給与のように、年に何回かまとめて支払う場合なども、「定期同額」要件を充たしていないため、事前に届け出る必要があります。
※株主総会で支給額を増額または減額した場合は?(定時改定といいます。)
その改定前の各支給時期における支給額が同額である定期給与、その改定後の各支給時期における支給額が同額である定期給与については、「定期同額」とみなしますので、原則としてその全額が費用に計上でき、
また事前に届け出る必要はありません。
※期の途中で役員給与を減額した場合は?(随時改定といいます。)
上記の定期改定により決められた給与につき、経営状況の著しい悪化などにより、支給額を減額せざるを得ないような場合には、その改定前の各支給時期における支給額およびその改定後の各支給時期における支給額がそれぞれ同額であれば、「定期同額」とみなしますので、原則としてその全額が費用に計上でき、また事前に届け出る必要はありません。
●いつまでに提出しなければならない?
届出の期限は、◆「役員としての職務執行が開始される日」と◆「会計期間 開始の日から3ヶ月を経過する日」とのいずれか早い日となっています。
「役員としての職務執行が開始される日」とは、通常役員は株主総会で選任されるため、定時株主総会開催の日と考えていいでしょう。つまり、株主総会開催の日と会計期間開始の日から3ヶ月とのいずれか早い日までに、「事前確定届出給与に関する届出書」を提出しなければならない、ということです。
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